ごきげんよう、式部です。
先日映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を鑑賞したので今回はその感想です。
ネタバレを含んでいる為、気になる方はここでUターンして下さい。
概要
原題:The Grand Budapest Hotel
2014年公開ドイツ・アメリカ合作映画。
ジャンル:コメディー・ドラマ
時間軸毎に画面のアスペクト比を使い分けている。
1.37:1、1.85:1、2.35:1の3種類
撮影はベルリンとドイツ・チェコ・ポーランド国境沿いのゲルリッツで行った。
キャスト・スタッフ
ミスター・ムスタファ:F・マーリー・エイブラハム
セルジュ・X:マチュー・アマルリック
ドミトリー:エイドリアン・ブロディ
ジョプリング:ウィレム・デフォー
コヴァックス:ヘフ・ゴールドブラム
ルートヴィヒ:ハーヴェイ・カイテル
若き日の作家:ジュード・ロウ
アガサ:シアーシャ・ローナン
ムッシュ・ジャン:ヘイソン・シュワルツマン
クロチルド:レア・セドゥ
マダム・D:ティルダ・スウィントン
作家:トム・ウィルキンソン
ムッシュ:チャック:オーウェン・ウィルソン
ゼロ:トニー・レヴォロリ
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
原案:ウェス・アンダーソン
ヒューゴ・ギネス
製作:ウェス・アンダーソン
ジェレミー・ドーソン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ロバート・D・イェーマン
編集:バーニー・ピリング
セット・建築について
・チェコのカルロヴィ・ヴァリという保養地にあるホテル
・パップホテル
・ハンブルクにあるアトランティックホテル
・ウィーンのインペリアルホテル
・ブダペストのゲラートホテル
上記を参考にドイツのゲルリッツでセットを組んだ。
↓参考資料
感想
先ずなによりも水平移動の多いカメラワークやポップな色使いにウェス・アンダーソンの世界を感じる事ができる作品でした。
とにかく全てのシーンが絵本の中のように可愛らしく、思わず自分も「グランド・ブダペスト・ホテル」に宿泊したいと思ってしまいます。
個人的には、紫色の制服を着たホテルマン達が真っ赤なエレベーターで移動するシーンが好みの色すぎてツボです。笑
あと余談ですが、韓国アイドルEXIDの「L.I.E」のMVはこの映画にインスパイアされたのではないかと思います。
ストーリーの感想としては、これをコメディーに分類してよいのか?という疑問が残った。
ゼロとグスタフの罪が晴れる所で終わり、話が現代へと戻り愛と友情物語(ハッピーエンド)で終わるのであれば間違いなくコメディーであるが、その後のストーリーでグフタスは兵士により殺されているし、ゼロの妻であるアガサとその息子も病により亡くなっている。
唯一残ったホテルさえも一時は国有化されてしまう。
正に山あり谷ありの人生そのものを表しているようである。
私はグランド・ブダペスト・ホテルというゼロの人生の一部を通じて、『平家物語』の冒頭部分を思い出した。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ
栄えていたグランド・ブダペスト・ホテルも廃墟の様にがらんとした姿になり、愛する人と出会い分かれたゼロ。
どんなものも変化し、そして衰退していく。
正に『平家物語』の冒頭と重なる。
更にその衰退したものの中にも、人の歴史があるという事をこの映画から感じた。
確かにコミカルな動きや展開の早さからコメディー要素は感じるが、それだけに止まらない哀愁がを感じた作品でした。
それでは、、