映画・ドラマ感想 | 「ノートルダムのむせし男」
ごきげんよう、式部です。
先日映画「ノートルダムのむせし男」を鑑賞したので、今回はその感想です。
ネタバレを含んでいる為、気になる方はここでリターンして下さい。
概要
英語タイトル:The Hunchback of Notre Dame
1923年アメリカで公開、監督ウォーレス・ウォースリーによるサイレント映画。
原作はヴィクトル・ユゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』。
ディズニーのアニメーション映画『ノートルダムの鐘』も同じ小説を原作として製作されており、大まかなストーリーは同じである。ディズニー映画では「The Hunchback (むせし男)」という言葉は放送コードに抵触する為、「The Bells(鐘)」に変更。
ディズニーの他にも度々映画化、舞台化、バレエなどで扱われている。
キャスト・スタッフ
カジモド:ロン・チェイニー
エスメラルダ:パッツィ・ルース・ミラー
フォッビュ:ノーマン・ケリー
ゴンドローリ工夫人:ケイト・レスター
フルール=ド=リ:ウィにフレッド・ブライソン
クロード:ネイジェル・ド・ブルリエ
ジェハン:ブランドン・ハースト
クロパン:アーネスト・トレンス
ルイ11世:タリー・マーシャル
グランゴワール:レイモンド・ハットン
マリー:ユーラリー・ジェンセン
シスター・グジュール:グラディス・ブロックウェル
監督:ウォーレス・ウォースリー
脚本:エドワード・T・ロウ・ジュニア
パーレー・プーア・シーハン
原作:ヴィクトル・ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』
製作:カール・レムリ
アーヴィング・タルバーグ
感想
ディズニー映画『ノートルダムの鐘』で大まかなストーリーは知っていたのですが、
やっぱりなんだかモヤモヤするストーリーですよね。
ジェハンのやり方にもモヤモヤしますが、結局カジモドの報われなさやフォッビュの良いとこどり感、エスメラルダが罪人になったり拷問を受けたり、、
はっきり言って気持ちの良い作品ではないです。
この不条理で大人の汚い部分のみえるモヤモヤの部分こそ、この作品の醍醐味であり、
長く愛され続けている理由なのだと思います。
個人的に興味深かったシーンが2つあり、
1つ目はカジモドの鞭打ちのシーン。荒廃したパリで、処刑や処罰が民衆の”娯楽”的要素と”見せしめ”的要素を兼ねていた所です。
地域全体の治安がよく平穏に暮らしていれば、鞭打ちを楽しむことができるでしょうか??
それしか楽しみがない程、民衆が貧しく荒廃した地域であった事が予測されます。
又、見せしめを行う事で「民衆に国王に逆らうと処刑される」という恐怖を植え付けていたという物語の背景も見えてきます。
実際の中世ヨーロッパでは魔女狩りも行われていた為、時代的背景も想像できます。
2つ目は、ノートルダムを襲撃してきた人々に対しカジモドが反撃をするシーン。
ここでのカジモドの行動がなんとなく幼くみえて、私は少し切なくなりました。
ノートルダムを襲撃してきた人々に対し上階の窓から重たい鉄を落としたり、
自分の攻撃により人が苦しむ様子を見て拍手をしたり跳び上がったりと
まるでサーカスなどのショーで喜ぶ子どものような行動をとっており、
カジモドがまだ精神的に幼い事が表現されているようでした。
役者さんの演技力の高さや解釈の仕方には驚きました。
モヤモヤする映画ではありましたが、時代背景や集団心理など1本の映画から色んな側面を観る事ができる映画だと思います。
それでは、、