ごきげんよう、式部です。
先日映画『スワロウテイル』を観たので、今回はその感想です。
概要
1996年9月14日公開、監督岩井俊二による映画。
架空の街YEN TOWNを舞台としており、本編では日本語、英語、中国語など様々な言葉をごちゃまぜに使用し、様々な人種が入り混じる様子を表している。
監督岩井俊二により、映画の前後について書かれた小説『スワロウテイル』も発売された。
更に、作中に出てくるYEN TOWN BANDによるサウンドトラック『MONTAGE』も同名義で発売。
キャスト・スタッフ
グリコ:CHARA
アゲハ:伊藤歩
ヒオ・フェイホン:三上博史
リョウ・リャンキ:江口洋介
ラン:渡辺篤郎
アーロウ:シーク・マハメッド・ベイ
ニハット:アブラハム・レビン
レイコ:大塚寧々
ホァン:小橋賢児
ツェン:顧暁東
マオフウ:アンディ・ホイ
ワン・シャオシェン:翁華栄
チュンオン:楊鍵宇
YEN TOWN BAND関係者
星野:洞口依子
デイヴ:ケント・フリック
本田:田口トモロヲ
楠木:鈴木慶一
須藤寛治:塩見三省
葛飾組組長:渡辺哲
シェンメイ:山口智子
ロリータ店長:酒井敏也
浅川:武発史郎
ロック・ドク:ミッキー・カーチス
鈴木野清子:桃井かおり
バンドメンバー(映画内)
ギター:ブライアン・バートンルイス
サックス:カーク・D・ハバード
ピアノ:カレブ・ジェイムズ
ベース:アリ・モリズミ・MTV
ドラム:C. J.
ギター:ダニエル・グルーンバウム
オーディション参加者として
CD
ボーカル:CHARA
キーボード、ギター、、プロデューサー:小林武史
ギター:名越由貴夫
作詞、コンセプト統括:岩井俊二
レコーディングでの演奏者は楽曲ごとに異なる。
監督:岩井俊二
脚本:岩井俊二
製作:河井真也
和田倉和利
前田浩子
音楽:小林武史
撮影:篠田昇
編集:岩井俊二
感想
現在の日本にこそ、必要な映画だと感じました。
格差社会と言われる現在の日本で、格差によりどのような事が起こりうるのか?
貧困とは何か?金(円、資本主義)の力など、物語を通じて問題提起しているようです。
円の力を求め、YEN TOWNにやってくる円盗(イェンタン)。
そこで働く人々は、汚れ仕事や危ない仕事をしている。
住環境なども清潔とは言えない。
誰だってこんな環境にいたいとは思わないだろう、
しかし、お金の為にYEN TOWNで暮らしている。
親が円盗(イェンタン)であったアゲハは、YEN TOWNの中で生きていくことしかできない。YEN TOWNを抜け出すにも、ここで働き金を手にするしかない。
思わぬ方法で金を手にしたアゲハたちであったが、その幸せは長く続かず、偽札及びそのテープを巡り、度々事件に巻き込まれる。
グリコはスターとなり、アゲハ、フェイホンとは離れ離れ。
フェイホンは逮捕され、その後偽札を巡り死亡する。
YEN TOWN CLUBも失い、3人がバラバラになってしまう。
金を手にしYEN TOWNを抜け出したはずなのに、幸せになれない。
アゲハがYEN TOWN CLUBを取り戻そうとしたことからも、3人一緒にいたライブハウスこそが幸せの空間であったとわかる。
お金をもってしても、幸せの空間(YEN TOWN CLUB)を取り戻せないアゲハ。
「幸せに暮らすにはお金がいるが、お金だけでは真の幸せにはなれない。」という暗示にも見える。
今一度、資本主義を見直すきっかけになる作品でもあると思う。
考え事ばかり述べてしまったので、演出面キャストにも少し触れます。
キャストで特に印象に残ったのが、アゲハを演じた伊藤歩さん。
主人公アゲハの存在感は、透明に近いグレーって感じ。
憂いや哀しさも垣間見えるのに無垢な感じや、ストレートな黒髪が美しい。
岩井作品の光と相性が良すぎます。
そしてなんと言っても音楽が良すぎる。
ライブハウスでCharaが歌唱していた「Mama's alright」
英詞である事によって、YEN TOWNならではの異国感もありますし、
ちょっと気怠い感じも最高です。
「上海ベイベ」は日本詞であるため、グリコがレコード会社に移ってからプロモーションや方向性が変わった事が明らかなのも良いです。
それでは、、