式部日記

多趣味人間の雑記。

展示感想 | 『デ・キリコ展』

ごきげんよう、式部です。
先日東京都美術館にて、「デ・キリコ展」を鑑賞したので今回はその感想です。
ネタバレ含むので、気になる方はご遠慮下さい。

 

dechirico.exhibit.jp

 

デ・キリコとは

イタリアの画家、彫刻家。

形而上絵画派を興し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた。
一時はシュルレアリスムグループと親交があったが、後に決別する。

 

今回の展示について

初期から描き続けた自画像や肖像画から、 画家の名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで、世界各地から集まった100点以上の作品で デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展です。

*1

 

展示の様子

※今回は撮影禁止だったので、いつも勝手にお世話になっているTokyo Art Beatさんの動画を置いておきます。

 

youtu.be

 

感想

建物やインテリア好きの私は、以前からキリコの絵に惹かれてはいましたが、

今回の展示でより一層キリコの職人っぽさに惹かれました。

 

(以前のエゴン・シーレ展はまじで何だったんだという文句は若干浮かびましたが、

今回の展示が良かったのでまぁ良しとしましょう。)

 

特に好きだった作品は、no,20 『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』

乱れた遠近法、室内画、幾何学的、隠喩的なモチーフなどザ・キリコ感があって好きです。

また、"燃え尽きた太陽"が何となく引っかかり、ある音楽を思い出してしまいました。

あの太陽が偽物だって

どうして誰も気付かないんだろう

このフレーズで同じみ?のPeople In The Box『ニムロッド』です。

 『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』では、太陽や月にコードのような線が繋がっていたり、カラーの太陽と燃え尽きた太陽が繋がれていたり、

どこか不穏な雰囲気を放っています。

また絵の中に更に絵がある入れ子構造のような絵になっており、

目に見える世界と真実が違う事を示しているようにも思います。

つまり”偽物の太陽”のようにも感じます。

キリコの絵には、哲学的思想から影響を受けているものも多く、『ニムロッド』の歌詞は神話モチーフのワードが出てきます。

 

キリコの絵のBGMとしてPeople In The Boxを採用したいくらいの親和性があります。

 

youtu.be

 

独特な不穏さ、幾何学、匿名性など、キリコの絵の特徴はどことなくSFを感じさせます。

是非映画好きにも観て頂きたいな、、

 

 

それでは、、

*1:公式HPより引用