ごきげんよう、式部です。
先日東京都美術館にて、「デ・キリコ展」を鑑賞したので今回はその感想です。
ネタバレ含むので、気になる方はご遠慮下さい。
デ・キリコとは
イタリアの画家、彫刻家。
形而上絵画派を興し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた。
一時はシュルレアリスムグループと親交があったが、後に決別する。
今回の展示について
初期から描き続けた自画像や肖像画から、 画家の名声を高めた「形而上絵画」、西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の「新形而上絵画」まで、世界各地から集まった100点以上の作品で デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展です。
展示の様子
※今回は撮影禁止だったので、いつも勝手にお世話になっているTokyo Art Beatさんの動画を置いておきます。
感想
建物やインテリア好きの私は、以前からキリコの絵に惹かれてはいましたが、
今回の展示でより一層キリコの職人っぽさに惹かれました。
(以前のエゴン・シーレ展はまじで何だったんだという文句は若干浮かびましたが、
今回の展示が良かったのでまぁ良しとしましょう。)
特に好きだった作品は、no,20 『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』
乱れた遠近法、室内画、幾何学的、隠喩的なモチーフなどザ・キリコ感があって好きです。
また、"燃え尽きた太陽"が何となく引っかかり、ある音楽を思い出してしまいました。
あの太陽が偽物だって
どうして誰も気付かないんだろう
このフレーズで同じみ?のPeople In The Box『ニムロッド』です。
『燃え尽きた太陽のある形而上的室内』では、太陽や月にコードのような線が繋がっていたり、カラーの太陽と燃え尽きた太陽が繋がれていたり、
どこか不穏な雰囲気を放っています。
また絵の中に更に絵がある入れ子構造のような絵になっており、
目に見える世界と真実が違う事を示しているようにも思います。
つまり”偽物の太陽”のようにも感じます。
キリコの絵には、哲学的思想から影響を受けているものも多く、『ニムロッド』の歌詞は神話モチーフのワードが出てきます。
キリコの絵のBGMとしてPeople In The Boxを採用したいくらいの親和性があります。
独特な不穏さ、幾何学、匿名性など、キリコの絵の特徴はどことなくSFを感じさせます。
是非映画好きにも観て頂きたいな、、
【展示感想】
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2024年5月25日
デ・キリコ展at東京都美術館
以前から好きだったが、よりキリコの絵が好きになった。展示数もそこそこあったし、展示室も色や空間がキリコ風に工夫されていて楽しかった。
幾何学と遠近法の破綻、マヌカンによる匿名性などキリコ独創性が格好良い、
SF好きな人はキリコ好きだと思う pic.twitter.com/1ie7xZYHiC
それでは、、
*1:公式HPより引用