ごきげんよう、式部です。
先日国立新美術館にて「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」を鑑賞したので、今回はその感想です。
今回の展示について
イギリス・テート美術館のコレクションから「光」をテーマに厳選した作品を展示。
18世紀末から現代までの作品を扱っている。
テート美術館とは
テートはイギリス政府の持つ美術コレクション近現代美術のコレクションの所蔵・管理する組織。
各地にある国立の美術館を管理している。
・テート・ブリテン
・テート・モダン
・テート・リバプール
・テート・セント・アイヴス
で構成されている。
展示の様子
テート美術館展 光
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2023年7月24日
-ターナー、印象派から現代へ-
at国立新美術館 pic.twitter.com/RJSMNnwa3o
— 式部、 (@SHiKiBU_sp) 2023年7月24日
↑インターネットミュージアムアイエムによる動画もあるので、詳しく見たい方はこちらをどうぞ。
感想
日本人が好きそうな作品が多いなぁという印象でした。
穏やかな作品が多いというか、
特に作品番号22 ジョン・ブレットの「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」
は好きな方が多そうだなぁと感じました。
青色が持つ人を惹きつける力って何なんでしょうね?
個人的に好きだったのはRoom3の3作品
作品番号32 ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」
作品番号33 ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内、床に映る陽光」
作品番号34 ウィリアム・ローゼンスタイン 「母と子」
一見只の室内画に見えて、しっかり光が関連しているんです。
先ず33の「室内、床に映る陽光」は分かり易く窓からの光、そして格子の影が描かれています。
細かいなぁと思うのが、若干窓が汚いというか、曇っているような感じで描かれている事。又、色は多くなく、濃淡によって光を表現しています。
窓をよく覗くと向かいの家の窓が見えるのもポイントです。
32「室内」は一見光が関係なさそうですが、室内に立つ女性の後ろ姿が描かれています。
室内奥の壁を観ると影が描かれている為、女性の背後(私たち鑑賞者が立っているあたり)から光が射しており、こちらに窓もしくは電灯がある事が分かります。
一見静かな絵に見えますが、凄く綺麗な絵だなぁと感じました。
そして今回1番好きだった絵。
作品番号27 ジョン・エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハリエニシダ」
縦173.2×横123の大きな絵一面に草木が描かれているのですが、
森に自分が立っている仮定の視点になっており、
まるで本当に森の中を歩いているような気分になります。
木と木の間から漏れる光も美しいです。
今回「光」がテーマという事で、絵画上での光だけでなく
Room4で図や写真の作品も展示されていました。
日本の写真家のハナヤ勘兵衛や建築家である山脇巌の写真もありました。
「写真」の登場は美術に大きな影響を与えた事は勿論、
今回のテーマ「光」とは切っても切り離せない関係です。
絵画ではある一瞬の光しか描く事ができなかったのを、
写真によって光を時間的に(光の軌跡を)切り取る事ができるようになりました。
ブレや感光など概念も写真により生まれた概念と言えます。
そして、光にちなんだ所謂インスタレーション作品も複数展示されていました。
Room6 作品番号86 ジェームズ・タレル「レイマー、ブルー」は、青色の光によって、巨大な壁が出現して見えるインスタレーション作品となっており、
青色の光に包まれる不思議な空間を体験できます。
このタレルの作品は光と空間を意識したものが多いのですが、
ある意味瞑想空間のような、じっと光を感じる事が重要になってきます。
只、美術館という空間において、特に日本の美術館において、
人々は限られた時間の中で沢山のもの、事を吸収しようとします。
現代人はコスパを重視する傾向にあるとよく言いますが、
まさにタレルの作品は時代の流れに逆らっているなぁと感じました。
私も鑑賞していて、「何か光が変化するのか?壁が変化するのか?」と気持ちが焦ってしまいました。
じっと感じるタレルの作品は、現代人に必要な立ち止まる時間、瞑想力、心の余裕を与えてくれているのかも知れません。
タレルの作品は金沢21世紀美術館や地中美術館でも鑑賞する事ができます。
今回アーティスト数や作品数が多かった為、感想が長くなってしまいましたが、
見ごたえのある展示だと思います。
是非足を運んでみて下さい。
↓行った展示はインスタハイライトにまとめてます。
良かったら覗いてみて下さい。
それでは、、