式部日記

多趣味人間の雑記。

展示感想 | ドイツ・ミュンヘン MUCA展 ICONS of Urban Art ~BanksyからKAWSまで~

ご機嫌よう、式部です。

先日大分市美術館にて、「ドイツ・ミュンヘン MUCA展 ICONS of Urban Art ~BanksyからKAWSまで~」を鑑賞したので今回はその感想です。

 

mucaexhibition.jp

 

MUCAとは

MUCAとはアーバン・アートや現代アートに特化した

ドイツ・ミュンヘンにある美術館「Museum of Urban and Contemporary Art」の事。

 

www.muca.eu

 

アーバン・アート、現代アートとは

アーバン・アート

現代の都市空間の中で発展した視覚芸術のこと。

建物や壁、道路などの公共の場所に描かれた作品が多い。

時にストリート・アートとも呼ばれる。

 

現代アート

第二次世界大戦後(1950年以降)〜21世紀までの美術を指す。

特徴として、絵画などの「型」や「方法」に囚われず、様々な表現方法を用いている事、

現代アートの元祖とも言われるマルセル・デュシャン

「作品を起点に鑑賞者が思考をめぐらし、鑑賞者の中で作品が完成する」に則った作品が多く存在する事である。

 

今回の展示について

MUCAのコレクション合計60点以上を展示。

バンクシーの大型彫刻の日本初上陸の他に、カウズの代表作が登場。

11セクションに分かれており、下記の通り。

1:バンクシー

2:オス・ジェメオス

3:ジェイアール

4:バリー・マッギー

5:スウーン

6:ヴィールズ

7:インベーダー

8:リチャード・ハンブルドン

9:カウズ

10:シェパード・フェアリー

11:バンクシー(彫刻作品)

 

展示の様子

 

 

 

 

感想

まず、大分でこんなに良い展示がやっているのか?とそこにびっくりしてしまいました。

私は、コンテンポラリー・アートよりも絵画作品の方が好きな人なので、

少々批判的な態度で臨んだ展示でしたが、

想像以上に衝撃を与えてくれるような展示でした。

 

とくに心に刺さったのが、下記の3点。

3−16:ジェイアール「ポートレイト・オブ・ア・ジェネレーション」

鑑賞者に銃が向けられており、実際の戦場や銃を向けられた人の心情、

銃を向ける人の鋭い眼差しを生々しく感じる事のできる作品です。

人によっては嫌悪感を示す作品だと思いますが、

「このような現実が世界のどこかで起こっている事を忘れてはならない」と感じさせられる作品です。

 

8−34:リチャード・ハンブルドン「ゴールデン・シャドウ・トルソ」

ゴールドの背景に黒一色で描かれた身体。

まるで頭部が爆発したかのような飛沫、

両手を上部に突き上げ万歳のポーズをとるトルソ。

ジェイアールのポートレート同様、戦場を連想する事もできますし、

溢れ出す思考に思わず頭が吹き飛び、万歳しているようにも見えます。

大きな絶望を描いているようにも見えます。

黒一色にも関わらず、力強さと衝撃を与えてくれる作品です。

 

11−70:バンクシーグラップリング・フック」

バンクシーパレスチナにオープンした「ウォールドオフホテル」内で、お土産として売られた事で有名なこの作品。

キリストが磔にされた十字架は、海賊が敵船を捕獲する際に使用する鉤縄。

その見た目の凶暴さと磔のキリストに目を奪われます。

また、展示の仕方も美しく照明により影ができる事で、より暴力性が増して見えました。

 

他にも目を奪われる作品や、暴力や戦争、権力、資本主義に対する抵抗を感じる作品が多く、

かなりメッセージ性の強い展示でした。

 

大分の後は、京都、東京で巡回展も行うようなので、

行けそうであれば他の会場にも行ってみたいです。

 

それでは、、